適応障害


本来はストレス性の障害で、ある困難な状況下(職場、学校、家庭など)において、うつ状態などの精神症状が現れる病気です。その原因から離れると、症状は次第に改善します。でもストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。WHOの診断ガイドラインを見ると、「発症は通常生活の変化やストレス性の出来事が生じて1カ月以内であり、ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続することはない」とされています。ただしストレスが慢性的に存在する場合は症状も慢性に経過します。
うつ病と同じような病気ですか?と聞かれることも多いのですが、実は異なります。うつ病は症状を中心に診断するのですが、適応障害は他の心の病気と異なり、症状の起きた原因、環境、個人の感受性をもとに診断をつけます。主症状がうつ状態であると、うつ病との診断の差が明確ではなくなることもありますが、適応障害の実際の症状はうつだけではなく、不安、怒り、衝動的な行動、自律神経症状など様々です。
治療はその症状によって様々な治療を組み合わせます。うつ状態であれば抗うつ薬、不眠であれば睡眠薬、不安であれば抗不安薬といった薬物療法が有効です。しかしそれ以上に大切なことは原因となったことを取り除くことです。職場、家庭、学校などの環境調整が重要です。そのために職場の上司や産業保健スタッフ、ご家族、学校の先生方の協力をいただくことも必要となります。症状の重さと職場の環境によっては、休職し自宅療養をお勧めすることもあります。