気分障害(うつ・躁)

大切な人を失ったときや、仕事や学業がうまくいかないとき、多くの人は落ち込みますが、それは一時的で自然に回復することが多いはずです。しかし、落ち込みが長く続き、普段の生活が大きく損なわれるようであれば、うつ病の症状かもしれません。逆に気分が昂った状態が長く続き、爽快な気分がずっと続く、あるいはイライラが長く続く、あるいはおしゃべりが止まらなくなったり、疲れ知らずで長時間バリバリと働けるようになったりして、活動が活発になりすぎるようであれば、それは躁状態(うつの正反対の症状)かもしれません。

気分障害には次のような病気が含まれます。

うつ病

うつの症状としては、
(1)気分の症状:気分が落ち込む。憂鬱で何もうまくいかないと感じる。悲しくて涙が出るようになる。何事にも自信がなくなる。時に死にたいと思うこともある。
(2)思考の症状:集中力、判断力の低下。悲観的で自責的な考え方になる。とりこし苦労をするようになる。
(3) 意欲の症状:気力がなくなる。おっくうになる。楽しかったことも楽しいと感じられず、興味がわかなくなる。
(4)身体の症状:不眠、食欲低下、だるい、肩こり、頭が重い、胃の不快感、便秘、性欲低下。
うつの症状は決して稀なものではありません。自然に改善することが多いのですが、ストレスが続く状態であったりすると、症状は長引きます。
治療方法としては、SSRI、SNRIといった抗うつ薬、気分安定薬などの薬物療法、精神療法が有効です。

双極性障害

以前はⅡ型の存在はあまり知られていなかったのですが、実は非常に多い病気であることが分かってきました。以前はうつ病、躁うつ病と(時には境界性人格障害といった全く別の疾患も)診断されていた人が、最近になって双極Ⅱ型と新たに診断をつけられる場合もあります。
双極性障害は、うつ病と比べて、症状の再発を繰り返しやすい、症状が長引きやすいなどといった特徴があります。多くの場合、気分調整薬(リチウム、ラモトリギン、バルプロ酸ナトリウムなど)などによる、しっかりとした薬物療法が必要です。抗うつ薬を使用することもありますが、却って気分の波を強めて病状を悪化させることもあり、専門家による診断治療を必要とします。また、早めに薬物の服用を止めてしまうと悪化を繰り返しやすいため注意が必要です。

気分変調症

うつ病と比較して正常である期間が短く、あるいははっきりせず、長期にわたって社会生活上困難が続くケースが多いことが特徴です。

ページの先頭へ戻る