治療プログラムの目的は「セルフコントロール」「セルフモニタリング」「コミュニケーションスキル」の習得にあります。実施プログラムはこの目的に沿って編成されています。
休職中に薬物療法等適切な治療・療養でうつの症状はある程度回復してきます。しかしながら、自宅で何もしていない状態/会社のストレスがない時に元気なのは当然で、復職後数カ月が過ぎ、仕事にも慣れ、会社側が「そろそろ、戦力になってもらおう」と仕事を任せようとすると、症状が再発するケースが増えています。再発・再休職を防ぐためには、休職に至る経緯を分析し、セルフケアの手法を身に着け、仮説を検証し実際に試しながら再発防止策を構築することで、休職に至った時と同じような状況に陥っても、自身で再発防止に向けた対処を行う必要があるのです。
そこで、当院のリワークデイケアでは、オフィスワークによる業務遂行能力の回復を目指すだけではなく、行動活性化療法、集団認知行動療法、リラクゼーション法等、うつ病治療に有効な治療法やセルフコントロール法を身につけます。また、当院のリワークデイケアに入ることで、デイケア担当医、スタッフ、メンバーによる個人の再発防止を目的としたプロジェクトチームが形成され、これをメンバー同士が協力して遂行させるという設定となっています。つまり、一定期間、再発防止策の構築を「業務」とする組織に所属して頂くことで、メンバー同士が相互学習しながら、ストレスに対する対処法、対人コミュニケーションの訓練を行います。
また、リワークデイケア内で実施される運営会議、部署活動、模擬会社の中で行われるロールプレイといった集団プログラムにご参加頂き、復職時と同じような負荷を想定したシミュレーションを重ね、再発防止策を構築することができます。