企業の御担当者様へ-リワークについて

1.概要

1.概要
当院のうつ病復職支援デイケア(以下、デイケア)では集団活動の中で、疾病理解・セルフモニタリング・セルフケア・コミュニケーションスキルを身につけ、復職準備性を高めることで再発防止を目指します。 利用者一人ひとりが「再発防止策の構築」というプロジェクトチームを立ち上げ、本人・スタッフ・他利用者・主治医が協働してプロジェクトを遂行させます。このように組織を作り、職場組織に所属している時と同様の症状・パターンが再現されるような構造で、治療的なリハビリテーションを行っています。
心の風クリニックは、2023年5月に千葉で開催される日本うつ病リワーク協会千葉年次大会を主管いたします(大会長:当法人理事長佐々木)。企業の人事・健康管理担当の方々のご参加をお待ちしております。

2.デイケアプログラムの流れ

2.デイケアプログラムの流れ
デイケア利用期間は平均6か月程度です(最短4か月)。毎日会社に出勤するように集中してリハビリテーションを受けることで、再発防止をより効果的なものにしていきます。 個別支援計画は、下図の通り、デイケア初参加から卒業までを、モニタリング段階・課題抽出段階・復職準備段階に分けて、全段階に多職種のスタッフが携わります。

3.デイケアプログラムの内容

1)個別プログラム

活動記録表の作成と振り返り
健康な状態の時の生活リズムを取り戻すことを目的として、活動記録表を作成します。生活習慣や気分と疲労と活動内容をモニタリングすることで、うつ病エピソードに先行する生活習慣を見つけ出します。気分と疲労と活動との関連性を分析して再発防止に役立てます。気分が良い時や悪い時の行動分析を行い行動活性化を促します。
個別カリキュラム(個別課題の分析・プロジェクト会議) 各自の「再発防止策の構築」プロジェクトに取り組み、復職準備性を高めるための個別の課題を抽出して各自デスクワークにて分析します。また、週1回スタッフとの10分プロジェクト会議を実施し、プロジェクトの進捗確認・計画・更新のために話し合います。
休職至る経緯とライフチャートの作成 モニタリング段階で作成します。休職要因の推敲を重ね文章にまとめ、自己分析することで自らの問題点、課題を見つけます。また、自身が経験してきた、症状に伴うエピソードについて、「ライフチャート」を作成します。自分の病気の経過や誘因を事実に基づいて理解する事が目的です。
職場からの情報提供にて、休職要因を考察 課題抽出段階で行います。現在の仕事と自分との関係を見直し、職場の人たちは休職要因をどう捉えているか、本人に対して困難に感じていた点はあったのか、復職要件について職場からフィードバックを頂きます。休職の原因を環境的要因だけではなく、自分自身にも問題があり、それに気付いて克服するという発想がなければ、復職後、また同様の症状を繰り返す恐れがあるからです。
卒業レポートの作成(卒論グループ) 復職準備段階で作成します。疾病理解がどのように進んだか、自身がどのように変化したのか、復職準備性を高めるためにどんなことに取り組んできたのか、再発しないためにどのような対策を講じるのかを整理します。

2)集団プログラム

アセスメントグループ
参加して間もない利用者を対象に疾病理解、活動記録表の使い方と行動活性化、ストレスの理解と対処法、生活リズムの安定を目指した心理教育を行います。これらの学びを通してセルフモニタリングすることで自分自身を知り、セルフケアができるようになることを目的としています。
SST(social  skills training) 何回か休職を繰り返す方の多くは職場や家庭でのコミュニケーションについて、何らかの課題を抱えている場合があります。SST ではコミュニケーションスキルの回復と問題解決能力の獲得、認知技能の回復を目的としたトレーニングを集団で行います。
フィジカルプログラム 軽スポーツ(ウォーキングまたは筋トレ)と、アロマオイルの香りを活用しながら深呼吸とストレッチを行うことで、体力の回復・維持・増進を図ること、セルフモニタリング・セルフケアを身に付けることを目的としています。
WRAP(元気回復行動プラン) 自分自身が元気な状態でいるために現実的で実行可能な再発防止プランを自分の生活スタイルに合わせて作成します。体調が悪くなってから対処するというやり方ではなく、自分自身のよい状態を維持するには、どのような行動をしていくのかを考えていきます。
グループ療法 自分の思っていること感じていることを自由に語り合う集団精神療法です。集団を鏡として自他の感情に気づき、自分の感情を取り扱い洞察を得ることを目的としています。また、社会生活の行動実験の場にもなり、ここでの体験を個人の再発防止策の構築に役立てます。
集団認知行動療法 自分の考え方の癖を捉えて、自分自身を客観視することで職場でのストレスに早めに対処していく力を身につけていきます。ネガティブな感情や気分の落ち込みをコントロールすることで、再発防止に役立てます。
オフィスワーク 職場で求められる業務遂行能力の回復を図りチームで行う協働作業を実施します。日中の業務遂行能力、集中力、思考力、認知機能のモニタリングを行い、対人交流やコミュニケーション、仕事の仕方なども振り返ることを目的としています。
部署活動・運営会議 システム部(PC管理)、図書部、庶務部の3部署のいずれかに所属し職場組織と同じ状況を作り、協働課題に取り組みます。組織の中でのストレスのかかり方や職場での人間関係、求められる役割について振り返ります。デイケアの運営にも携わり、自己決定や適切な自己主張をすることで主体性を持つ構造にしています。
ディスカッショングループ 自身のニーズや課題に合わせて、主体的に選択するグループです。即時的に自己理解を深め、ディスカッションを通して客観的な視点を身につけます。

4.個別援助と企業との連携について

復職準備段階になりますと、任意ではございますが、通勤訓練、リハビリ出社、時間短縮勤務等、会社で用意されている復職支援計画と連携することも可能ですし、主治医の診断書と併せまして、リワークデイケアでの参加状況報告書をご用意することができます。また、必要があれば、当院にて本人を交えた担当者会議を開くことができます。 卒論レポートの課題を取り組んでいる間に、他職種のスタッフによる評価、観察期間を2週間設けます。これらの情報と本人のレポートを元にして、デイケア参加状況報告書を作成致します。また、この段階に入りますと、産業医、もしくは会社担当者と連携を取りながら、復職に向けた具体的な個別支援計画を作成していきます。デイケアから会社への移行期間として、徐々に働いている時の感覚を取り戻していくことを目指します。

5.再休職防止について

復職後、1年間は活動記録表によるセルフモニタリングを継続し、疲労や気分の変動、精神的ストレスを早めに察知し、デイケアプログラム中に作成した行動プランを実行し、修正を繰り返しながら再発防止を目指します。 うつ症状は、一般的に小さな改善悪化を繰り返しながら完治に向かっていきますので、復職後、どんな方でも多少の症状の揺り戻しがあります。従いまして、残業や責任のある業務につく際は、ご本人と相談しながら、計画的、段階的に業務の負荷をかけて頂き、一歩ずつ自信を回復して頂けるようなサポートが得られることで、再発防止のリスクが軽減されます。  また、「職場の期待する役割を維持し果たせること。(戦力になること)」をゴールとし、どれくらいの負荷を、どの程度、どのくらいの期間かけていけば達成できるかという目標管理をご本人、業務担当者と作成し実行していくことも大切です。会社担当者と本人とが相談し折り合いをつけていく作業そのものが、ご本人にとって「心の耐性」を身に付ける機会となります。

最後に

以上が当院リワークプログラムの内容です。何かご不明な点がございましたら下記までご連絡をいただければ幸いです。 船橋:連絡先TEL:047-422-1750 心の風クリニック復職支援デイケア 精神保健福祉士 荒木 千葉:連絡先TEL:043-202-3101 心の風クリニック千葉復職支援デイケア 作業療法士 山田
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